コラム
2025年02月19日

本気のリスニング対策ならディクテーション!

リスニング力アップのための訓練法は色々ありますが、ディクテーションを試したことはありますか?

ディクテーション(dictation)とは、英文の音声を聞きながら、聞き取れた内容を書き取っていく勉強法です。リスニングに強くなるだけでなく、自分の弱点に気づくこともできるため、その効果は広く認められています。

特に国公立大学の二次試験ではリスニングが大事な場合が多いため、例えば東京大学、京都大学、一橋大学、東京外国語大学、大阪大学、神戸市外国語大学などのリスニング対策としても効果的です。

それでは早速ディクテーションの効果的な手順からご紹介していきます。

ディクテーションの手順

1.最後まで流して全体の内容をつかむ

音声を最後まで停止せずに流します。1回聞いて、内容が全く分からない場合はもう1回聞きましょう。

2.ディクテーションを行う

いよいよディクテーションです。1センテンスごとに停止しても構いませんが、最初の数回は最後まで流して書けるところから書いていくのもよいと思います。音声を流す回数は、「もうこれ以上聞いても無理!」と思うまでです。

聞き取れなかった箇所には「…..」などを入れておきましょう。

3.スクリプト(英文原稿)を見る

頑張った後は、スクリプトを見て答え合わせです。スクリプトを見ながら音声も流して下さい。

4.シャドーイングを行う

手順3.まででディクテーションは一応終了です。ただもう少し頑張れる人は、最後にスクリプトを見ながらシャドーイングを行うと更に効果アップです。
ディクテーションでは聞き取れなかった箇所も、シャドーイングをすると、次回からは聞き取れるようになります。

シャドーイング(shadowing)とは

影という意味の「shadow」から来ています。
その名の通り、聞こえてくる英文の音の後を影のように一歩後ろから追いかけて読む訓練方法です。

イメージ:

 

実際にやってみよう

では実際にやってみましょう。

でもどこからディクテーションの教材を入手すればよいのでしょうか?

今日は、以下の無料サイトをご紹介します。

リスニングプラザ

初級から上級までのリスニング素材を無料で提供しています。
ただし、高校生が対象なので、初級から結構なハイレベルです。

このサイトでは、「書き取りシート」をクリックすると、穴埋め式になっているシートが表示されます。
ほぼ穴ですが、ゼロから書くのは厳しいという人には特に良いと思います。

簡単な手順は以下の通りです。

  1. 自分に合ったレベルのリスニング学習素材をクリックする
  2. 表示された画面の「書き取りシート」をクリックして印刷する
  3. 「音声」をクリックしてディクテーション開始
  4. 「もうこれ以上聞いても無理!」と思うまで繰り返し聞いて書き取りシートの穴を埋める
  5. 「解答」をクリックして、スクリプトを表示または印刷する
  6. 上の「ディクテーションの手順」に書いた通り、まだ頑張れる人はスクリプトを見ながらシャドーイングを行う

※小中学生には教科書のシャドーイングがオススメです!

 

実際にやってみた

実際にどのくらいの時間がかかるものなのか、どのくらい大変なのかを理解するため、リスニングプラザを使ってスタッフである私がディクテーションを体験してみました。

中級の2-1を選択し、上でご紹介した「ディクテーションの手順」に沿って行いました。

1.最後まで流して全体の内容をつか
びっくりしました。難しい!しかも13センテンスも含まれており、最後まで聞くのに1分かかります。
2回聞いたので、この手順に2分かかりました。

2.ディクテーションを行う
いよいよディクテーション開始です。全体が長いので、1センテンス毎に止めながら進めました。
「もうこれ以上聞いても無理!」となるまでに20分かかりました。残念ながら穴をすべて埋めることはできませんでした

3.スクリプト(英文原稿)を見る
スクリプトを見ながら答え合わせをしました。
結果はこんな感じです。

答え合わせの後、音声を流しながらスクリプトをもう一度見ました。
何度も聞いた後なのですべて聞き取れている気がしました。
明らかに最初よりもクリアに英語が聞こえてきます。

4.シャドーイングを行う
ここですでに疲れてはいましたが、お手本となるべく、シャドーイングもやりました。
音声を流し、そのすぐ後から重ねるようにスクリプトを読みました。
2回読んだので所要時間は2分でした。これだけ聞いたのだから、もう少しすらすら読めるかと思いきや、音声が速くて大変でした。
でも読んだからこそ以下のようなことに気づくきました。
「単語と単語をこうやってリンクさせて読むのか」
「この単語のアクセントはこっちだったのか」
「英語の独特のリズムが日本語とだいぶ違うな」
などです。今後のリスニングに役立ちそうです。

結論・感想
1分程度の長めの音声の場合、答え合わせも含めると30分はかかります。
そして疲れます。
でも自分の弱点を含め、気づくことが沢山あります。
また、何が書いてあるかは、あえて翻訳しなくても、何度も聞く・書くを繰り返しているうちに把握してきます。
普段は文章を目で読んで意味を理解しようとする生徒さんがほとんどだと思いますが、ディクテーションをすると「読んで理解したのではなく、聞いて理解した」という体験ができ、今までとは違う達成感を感じることができます。

そして「これを続ければ、そりゃあ実力は付くだろうなー」というのが素直な感想です。

挑戦してみたい方、もっと詳しく知りたい方は是非お問い合わせください。

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